研究者の仕事術 公開インタビューが終わりました。(前編)

7月24日(水)、ウェブサイト「研究者の仕事術」のスピンオフ企画 公開インタビューが終了しました!
ゲストインタビュイーには東京大学生産技術研究所で研究室を主宰されている、建築とまちづくりの専門家の川添善行先生をお迎えしました。

インタビューの内容は、後日「研究者の仕事術」サイトに記事としてアップしますので、しばらくお待ち下さい!(鋭意、編集中です。)ここでは、「研究者の仕事術」プロジェクトでは初の試み!「公開インタビュー」イベントレポートを以下2編でレポートをお届けします。初めての挑戦であり、実験にお付き合いいただいた皆さまに感謝を込めて。

● 事前準備(準備~当日まで)編●
● あっという間のイベント当日 編●


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●事前準備(準備~当日まで)編●

▼ 難関はイベント広報文?!

before

after

最初の難関は、「イベント広報文」でした。どんな人に来てほしいかターゲットをイメージすること、そして、イベントの主旨であるインタビューを公開するという内容が伝わる文章にすることに骨を折りました。ゲストの川添先生は建築家でいらっしゃいますが、イベントのターゲットは建築の学生だけに絞りたくはなく、広い意味で「はたらきかた」について考えたい人に来てもらいたいと考えていたので、建築色を出し過ぎず、かつ川添先生の楽しいすてきなお人柄の魅力が伝わるように努めたつもりです。広報文たたき台は何通りつくったか分からないほどつくりました(笑)。実際に来てほしいと思う知人に読んでもらってコメントをもらったりし、ようやく出来あがったのでした。広報文で苦戦したおかげか、広報活動自体はそれほど力をいれなくても(企画者二人のFacebookとtwitterで1,2回、川添先生にもご協力いただき、)満員御礼!となったのでした。

▼ 会場が決まるまで 駒場Ⅱリサーチキャンパス内 カフェ カポ・ペリカーノ

イベントをどこでやるか?これも色んな手が打てる問題です。今回の決め手は、「川添ミュージアム」の展示でした。6月の大学キャンパス公開で川添研究室にお邪魔した我妻は、模型を見ながら建築の説明を聞くという楽しさを知り、公開インタビューにも是非この模型を持ってきてお話とつなげたいと思いました。となると、研究室から模型を持ち運べるキャンパス内のカフェが理想的ということに絞られます。カフェ以外の候補としては渋谷のコワーキングスペースco-ba(川添研究室ともおつながりがあるshibuya1000に関連した場所案)や本郷キャンパス福武ホールラーニングスタジオも候補に挙がっていました。

私見になりますが、いま、大学キャンパス内にカフェは学内の利用者にとどまらず、学内外の接点になっています。ただ、使われ方にはもっと可能性があると思いました。(色んな大学規則等の制約と戦わなければならないですが・・・。)今回のカフェも、いわゆるシンポジウムのあとの「懇談会」としてはよく利用されるけれど、カフェでイベントをすることはあまりないということで、カフェの方々には、「いつもと違う」お願い(会場より早く設営スタッフが会場設営にくること、模型を持ち込みたいこと、テーブルの設営を工夫したいこと等々)にわがままを聞いていただきました。(感謝です。)

▼インタビューは事前リサーチが肝心。

インタビューでは、いつも、できる限りの事前リサーチをしています。リサーチと言っても、先生のHPで得られる情報、ネットにある情報、CiNiiにある論文、出版されている著書に目を通し、経歴や、よく語られているエピソードを事前情報として得ておくようにします。この準備は大学院生の時に学んだことです。実務家に仕事に関するインタビューに行くというグループワークの授業があり、その際「聞き取りの作法」として、記者さんから心得を教えていただきました。その1つが、「事前準備はしっかりと、ただし、インタビューが始まったらすべて忘れる」。「すべて覚える」じゃなくて「すべて忘れる」というところが大事だと思います。忘れても、話を聞いたときに事前リサーチの情報が頭の引き出しから出てきてつなげる、そうすると話が広がる、もしくは知らないふりして本人の口からエピソードを聞き出す、など、臨機応変にその場の流れで事前リサーチは役立ちますし、貴重な時間を割いていただいてお話を伺うときの最低限のマナーと思っています。

今回初めて「建築家」にインタビューするということで、リサーチを始めるも、なかなか資料集めで苦戦しました。おそらくは専門誌にたくさん情報があるのだろうなと思い、研究室秘書さんに直接お伺いしたところ、予想を超えるリッチな資料集をつくってくださいました。資料を読むことから私のインタビューは始まっていると思います。思い返すと、資料がなかったら「あの話」はでなかった、というものばかり。ご協力に感謝です。

● あっという間のイベント当日 編● に続く