【書さんぽ その3】親父も、外国人も、書の心得は同じ。

書にまつわる話を書き記す「書さんぽ」シリーズですが、しばらく放置(プレイ)してしまいました…。
しかし、「書」から離れていたわけではございまぬ!この2ヶ月ほどの間に、書家・春光(しゅんこう、と読みます)として、書を教える、みんなで書を愉しむワークショップの機会を2度ほどいただきました。今回の「書さんぽ」はその記録を簡単に。
○「親父の小言」ワークショップ 9月7日(月)
主催:MALL(経営学習研究所)・ACOP(京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センター)
場所:株式会社内田洋行 東京ユビキタス協創広場 CANVAS B1F
○Komaba Reserach Campus International Garden Party 10月7日(水)
場所:東京大学駒場リサーチキャンパス
対象は「親父」と「外国人」ということで、全く違う対象者でしたが(使用言語も違う)、書を愉しむという時間は、世代、国籍は違えど、共通して持てるものだな!という強い実感を得られました。ワークショップの中身の検討や準備も含め、わたくし自身、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。機会をいただいた皆様に感謝です。
○「親父の小言」ワークショップ 9月7日(月)
主催:MALL(経営学習研究所)・ACOP(京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センター) 場所:株式会社内田洋行 東京ユビキタス協創広場 CANVAS B1F
oyaji1

経営学習研究所MALL理事の東大・中原淳先生、内田洋行・平野智紀さん、京都造形芸術大学・伊達隆洋さん、岡崎大輔さん、MALL事務局の皆様、ありがとうございました!

 

名前のとおり、35歳以上のはたらく男性、「親父」限定!を対象にした世界でも稀にみるワークショップです。このワークショップは、長い仕事人生とその後に 続く人生を充実させるために、どんな備えをして安全に下山していくかを参加者同士の対話を通して考え、最後は自分自身に向けた「親父の小言」を書にしたた めるというものです。小言は、胸ポケットに入れて自分でチラリと見返せるように名刺サイズの紙に作品として書き上げます。この作品作りのための書道レク チャーをさせていただきました。
ワークショップの詳細は、京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センター(ACOP)のHPで研究員・平野智紀さんがレポートを書かれています。書のレクチャーパートについてもしっかりまとめてくださってありがとうございます!
 oyaji
書 のレクチャー部分では、漫画「とめはねっ!」から、いくつかの場面を使いながら、美しい字を書くときの心構えなどをお話しました。この数十分間のレク チャーで劇的に美しく書くことは、残念ながら、無理です。美しい字を書くには、それなりの稽古時間が必要になります。けれど、短い時間でも、日常の喧騒か ら離れて、書に真剣に向き合う時間を愉しんでいただくために役立つお話をポイントを絞ってさせていただきました。私は、書に真剣に向き合うことは、自分の 心と向き合うことだと思っています。そんな心がけが「小言」作りに役立てればと思いました。(「とめはねっ!」を貸してくださったYさん、ありがとうございます。)
 sakuhin
みなさま、悩まれながらも、自分に向けた「親父の小言」を完成させていました。
「妻の目を見て話せ」、、、、大事です!
今回、大学院でお世話になった恩師と先輩が主催するワークショップの感想として、こういう場が「今までなかった」けど、「やってみると必要だと感じた」という、新しい場をゼロから作っていくことの大切さを改めて感じました。わたしが院生の時は、そういう場にたくさん出会わせてもらっていたので、もう大人になったか らには、自分で作っていかなければなりませんね。「自分のステージは自分で作れ!」と、指導教官中原先生からよく言われた当時を思い出す、良い機会にもなりまし た。
○Komaba Reserach Campus International Garden Party 10月7日(水)
場所:東京大学駒場リサーチキャンパス
東京大学生産技術研究所国際交流チームの皆様、ありがとうございました!
当日ボランティアで日本ブースを手伝ってくださった職員・学生の皆様も、非常に助かりました。ありがとうございました!
 komaba1
こ のGarden Partyは、駒場リサーチキャンパスに大勢いらっしゃる外国人研究者や留学生との交流を目的に毎年恒例で開催されています。駒場リサーチキャンパスは普 段からふらっと歩くだけでも多くの外国人に出会う場面が多くあります。私も生産技術研究所に在職中は週1回の国際交流英語ランチにもよく参加して外国人研 究者との交流を楽しみました。日頃は研究生活が忙しい彼らと自国の文化を紹介しあう機会はとても貴重で、年に1度のこの交流の機会は、彼ら自身もとても気 合いが入っています。
フランス、中 国、韓国、インド、パキンスタン、、、、などなどたくさんの国が自国文化を紹介するブーステントを出したりショーをしたりします。パーティの冒頭では各国 ブースがなにをするか紹介する簡単なスピーチタイムがあります。人前で英語スピーチは久しぶりで緊張しました。Partyの最後は、阿波踊り。「とーだい (東大)〜ソレソレ〜、踊る阿呆に見る阿呆〜、とーだい〜ソレソレ〜」という掛け声が楽しくて、後2日ほど頭の中を離れません!!
 komaba2
私は日本ブースで、書道体験Shodo Exprience のレクチャーを担当しました。外国人が好きな漢字というのをネットで調べて、いくつかお手本を書いていきました。お手本のほか、お名 前や好きな字を聞いてその場でお手本を書くということもしました。皆さん書道は難しいと思われるようで、最初は「No〜書けないよ〜」という反応をされま すが、やってみようよと声掛けして、いざ書くとなると真剣にトライしていかれていました。お手本を気に入って一緒に持ち帰ってくれたりして、嬉しい瞬間が たくさんありました。(写真は東大生研の映像技術室さんが撮ってくださいました、感謝です。)
otehon
こ の2つのイベントを通して、親父でも、外国人でも、若い人でも、書道を通して自分が集中する時間が生まれる、書道を通して交流が生まれるという楽しさを再 確認できました。今後も、書の時間の楽しさを提案しつづけ、またこうして、いろんな方と「書を愉しむ時間」を過ごしたいと思います。
そのためにも「書さんぽ」Blog、少しずつでも書きます〜。
我妻春光